サブクレードKの入院例はある?どんな人が重症化しやすいか整理
時点で、インフルエンザA型H3N2の新系統「サブクレードK」は、欧州・北米・日本など世界各地で今季の流行を押し上げており、実際に入院例も各国から報告されています。特に高齢者や基礎疾患のある人、妊婦、子どもなど従来からのハイリスク群で入院が増えつつあると評価されています。ただし、最終的な入院数や致死率はシーズン途中で「未確定」であり、今後の流行状況やワクチン接種率によって変動する可能性があります。
世界・日本で報告されているサブクレードKの入院状況
各国の公的機関や報道では、サブクレードKを含む今季のH3N2インフルエンザにより、すでに入院・重症例が出ていることが示されています。
| 地域 | 入院の状況(2025-26シーズン序盤の公表情報・報道ベース) |
|---|---|
| 英国・EU/EEA | サブクレードKが2025/26シーズン序盤のH3N2の大半を占め、早い時期から入院が増加。特に65歳以上で入院率の上昇が報告されている。 |
| カナダ・米国 | サブクレードKを含むH3N2流行に伴い、小児と高齢者の入院例が報告され、専門家は「重症シーズンになる可能性」を指摘。 |
| 日本 | サブクレードK流行が全国的なインフルエンザ流行宣言の一因とされ、小児の入院・重症例も報じられているが、詳細な統計はシーズン途中で「暫定値」。 |
| 世界全体 | WHOやECDCは、入院と死亡は従来通りハイリスク群に集中しうるとしつつ、サブクレードK支配のシーズンは「中等度〜やや高いリスク」と暫定評価。 |
現時点では「サブクレードKだから特別に極端な致死率」というデータは限定的で、全体として“重めのH3N2シーズン”に近いイメージと考えられています。
この章の要点
- サブクレードKを含む今季のH3N2では、すでに各国で入院例が報告されている。
- 特に欧州や北米では、65歳以上などの高齢者の入院率上昇が懸念されている。
- 最終的な入院数・致死率はまだ「未確定」で、今後の流行規模や対策で変わる可能性が高い。
サブクレードKで入院しやすい人の特徴
サブクレードKはH3N2の一系統であり、「どんな人が重症化・入院しやすいか」という点は従来の季節性インフルエンザとほぼ同じとされています。
| ハイリスク群 | 理由・背景 |
|---|---|
| 高齢者(特に65歳以上) | 免疫機能や肺・心臓の予備力が低下しており、インフル関連入院・死亡の50〜70%がこの年齢層とする報告もある。H3N2主体のシーズンでは入院・ICU・死亡リスクが特に高い。 |
| 妊婦 | 妊娠に伴う免疫・心肺機能の変化により、肺炎や入院リスクが上昇。胎児への影響(早産など)も懸念される。 |
| 慢性疾患・免疫不全のある人 | 心疾患・肺疾患・糖尿病・腎疾患・肥満・悪性腫瘍などを持つ人では、サブクレードKシーズンの重症インフルリスクが「中等度〜高い」と評価。 |
| 小児(特に5歳未満) | 気道が細く免疫も未熟で、肺炎・脱水・脳症などの合併症リスクが高い。サブクレードK流行国では小児の入院増加が報告されている。 |
この章の要点
- サブクレードKで「誰が入院しやすいか」は、基本的に従来のインフルと同じハイリスク群。
- 特に高齢者・妊婦・慢性疾患・免疫不全・小児で重症化リスクが高いと評価されている。
- 自分や家族がハイリスクに当てはまる場合は、早めのワクチン接種と相談先の確認が重要。
どんな症状・経過なら入院が検討される?
サブクレードKに限らず、インフルエンザで「入院が必要かどうか」は、体温だけではなく全身状態で判断されます。WHO・CDCなどは、以下のような症状を重症サインとして示しています。
| 観察ポイント | 入院が検討される目安の例 |
|---|---|
| 呼吸 | 息苦しい/少し動くだけで呼吸が荒くなる/胸が痛い・圧迫感がある/唇や顔が青白い〜青紫色。 |
| 意識・様子 | 会話がかみ合わない/ぼんやりしている/呼びかけに反応しにくい/子どもがぐったりして遊ばない。 |
| 水分・尿 | ほとんど水分がとれない/尿が極端に少ない・出ない/口や舌がひどく乾いている。 |
| 経過 | 高熱や咳が数日以上続き悪化している/いったん良くなったのに再び急に悪化した。 |
これらは一般的な重症サインであり、「サブクレードK専用の特別なサイン」があるわけではありません。ひとつでも当てはまる場合は、市販薬だけに頼らず早急に医療機関に連絡することが推奨されています。
この章の要点
- 入院の判断は体温だけでなく、呼吸・意識・水分・経過を総合して行われる。
- 呼吸困難・意識の変化・強い脱水・急な悪化などは、サブクレードKかどうかに関係なく要注意。
- 迷った場合は、自治体の救急相談やかかりつけ医に電話で相談し、自己判断だけで様子を見ない。
入院を避けるためにできる備えと受診のコツ
サブクレードKによる入院リスクを完全にゼロにはできませんが、ワクチン+早期受診+日常の対策でかなり下げられると考えられています。
| 対策 | ポイント |
|---|---|
| ワクチン | サブクレードKとは「ミスマッチ」部分もありますが、重症化・入院予防効果は一定程度維持されているとする早期データがあり、特にハイリスク群では接種が強く推奨。 |
| 早期受診 | 発症から早期(通常48時間以内)であれば、抗インフルエンザ薬が重症化リスクを下げる可能性があるため、ハイリスクの人は早めに相談する。 |
| 日常の予防 | 手洗い・マスク・換気・人混みを避けるなどの基本的な感染対策は、サブクレードKでも有効とされる。 |
| 相談先の整理 | かかりつけ医・夜間休日の救急相談窓口・近隣の救急病院など、連絡先をあらかじめメモしておくと、いざというとき慌てにくい。 |
この章の要点
- サブクレードK専用の特別な治療ではなく、従来と同じ「ワクチン+早期受診+基本対策」が入院リスクを下げる鍵。
- ハイリスクに当てはまる人は特に、ワクチンと早めの受診・相談が重要。
- 事前に相談先を決めておくことで、重症化サインに気づいたときすぐ行動に移しやすくなる。

