はじめに:リフォームとリノベーション、どう違うの?
最近よく耳にする「リフォーム」と「リノベーション」。
どちらも“家を直す・新しくする”という点では似ていますが、
実は目的や工事の規模、費用、価値の向上効果に明確な違いがあります。
この記事では、これから自宅の改修を考えている方に向けて、
リフォームとリノベーションの違いを分かりやすく解説し、
自分に合った選択をするためのポイントを紹介します。
リフォームとは?【修繕・原状回復が目的】
定義:
リフォーム(Reform)とは、
老朽化した建物を元の状態に戻す工事を指します。
キッチンやトイレ、外壁などが古くなった場合に「新しいものへ交換する」「壊れた箇所を直す」といった修繕中心の工事です。
具体例:
- 古くなったトイレを新しい節水型トイレに交換
- 外壁の塗り直し・屋根の防水工事
- フローリングやクロスの張り替え
- システムキッチン・ユニットバスの入れ替え
リフォームの特徴:
- 工事範囲が比較的小規模
- 期間が短く、費用を抑えやすい
- 「現状回復」が目的(機能・性能の改善中心)
費用の目安:
| 部位 | 費用相場 |
|---|---|
| キッチンリフォーム | 約50〜150万円 |
| 浴室リフォーム | 約60〜120万円 |
| 外壁塗装 | 約80〜150万円 |
| トイレ交換 | 約10〜30万円 |
| 内装(壁紙・床) | 約10〜50万円 |
リノベーションとは?【新しい価値を生み出す再構築】
定義:
リノベーション(Renovation)とは、
既存の建物に新しい価値や機能を加える改修工事のことです。
間取り変更や断熱性能向上、デザインの刷新などを行い、
“暮らし方そのものを変える”ことを目的とします。
具体例:
- 壁を取り払ってリビングとキッチンを一体化
- 古いマンションをスケルトンにして全面改装
- 断熱材を追加して省エネ住宅に
- 和室を洋室にリニューアル
- 古民家を現代風に再生(リノベ古民家)
リノベーションの特徴:
- 工事規模が大きく、設計から見直すケースも多い
- 建物の性能やデザインを現代的にアップデート
- 「新築同等の住まい」を実現できる
費用の目安:
| 工事内容 | 費用相場 |
|---|---|
| マンション全面リノベーション | 約600〜1200万円 |
| 戸建て全面リノベーション | 約800〜1500万円 |
| 部分リノベーション(LDKなど) | 約200〜500万円 |
| 古民家再生リノベーション | 約1000万円〜 |
リフォームとリノベーションの違いを比較表で整理
| 比較項目 | リフォーム | リノベーション |
|---|---|---|
| 主な目的 | 老朽化の修繕・原状回復 | 性能・デザインの向上 |
| 改修範囲 | 一部分 | 建物全体または大部分 |
| 工事規模 | 小〜中規模 | 中〜大規模 |
| 費用相場 | 数十万〜数百万円 | 数百万円〜1000万円超 |
| 工期 | 数日〜数週間 | 数ヶ月〜半年以上 |
| 設計・デザイン | 基本は現状維持 | 自由度が高く設計可能 |
| 建物価値 | 維持・回復 | 向上・再創造 |
| 向いている人 | 老朽部分を直したい人 | 理想の空間に住みたい人 |
どちらを選ぶべき?目的別おすすめタイプ
| 状況・目的 | おすすめ |
|---|---|
| 水回りや外壁など、一部だけ直したい | ✅ リフォーム |
| 築年数が浅く、部分的な修繕で十分 | ✅ リフォーム |
| 中古住宅を購入して理想の間取りにしたい | ✅ リノベーション |
| 古い家を性能もデザインも一新したい | ✅ リノベーション |
| 将来的な資産価値を上げたい | ✅ リノベーション |
リフォーム・リノベーションで使える補助金制度(2025年)
2025年も、国や自治体による住宅支援制度が充実しています。
リフォーム・リノベーション内容によっては、補助金を活用して費用を大幅に節約できます。
主な補助金制度:
| 補助金制度 | 対象工事 | 補助額目安 |
|---|---|---|
| 子育てエコホーム支援事業 | 節水トイレ・高断熱窓・省エネ設備 | 最大20〜60万円 |
| 先進的窓リノベ事業 | 高断熱窓・玄関ドア・外壁断熱 | 最大200万円 |
| バリアフリー改修補助(介護保険) | 手すり・段差解消・トイレ改修 | 上限20万円 |
| 自治体独自の助成制度 | 省エネ・耐震・空き家再生など | 各自治体で異なる |
👉 中古住宅+リノベーション購入の場合、「住宅ローン減税」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」なども対象になる場合があります。
最近人気のリフォーム・リノベーション事例
🔸 リフォーム事例
- 古い浴室を最新ユニットバスに交換(費用:約100万円)
- 外壁塗装+屋根防水で家の寿命延長(費用:約120万円)
🔸 リノベーション事例
- 3DKを1LDKの広々空間に再構築(費用:約700万円)
- 古民家をカフェ兼住宅に再生(費用:約1200万円)
失敗しないためのポイント
1️⃣ 信頼できる施工会社を選ぶ
→ リフォーム・リノベーションの両方に実績がある会社を選ぶ。
2️⃣ 目的を明確にする
→ 「直すのか」「変えるのか」を最初に整理。
3️⃣ 見積もりを複数比較する
→ 3社以上の相見積もりで価格と提案力をチェック。
4️⃣ 補助金をフル活用する
→ 施工会社に「補助金対応しているか」を確認。
まとめ:直すならリフォーム、変えるならリノベーション
- リフォーム=壊れたところを直す「修繕」
- リノベーション=新しい暮らしを創る「再構築」
このように、両者は目的も仕上がりも大きく異なります。
自分のライフスタイル・予算・家の状態に合わせて選ぶことが大切です。
また、補助金制度を活用すれば、
お得に快適な住まいを実現することも可能です。
2025年は、リフォーム・リノベーション市場がさらに活発化しています。
まずは信頼できる業者に相談し、自分らしい住まいづくりをスタートさせましょう。

