ノロウイルスによる食中毒は何日で治る?症状の経過と回復までの目安
「ノロっぽい症状が出たけど、いつまで続くの?」「何日休めばいい?」と不安になる人は多いです。ここでは、ノロウイルスによるいわゆる「食中毒(感染性胃腸炎)」の典型的な経過と回復の目安、職場や学校に戻るタイミングについて、2025-12-03時点の一般的な情報をもとに整理します。実際の対応は、必ず医師の指示を優先してください。
ノロウイルスの症状はどれくらい続く?
典型的には「最初の1〜2日が山場」
ノロウイルスによる急性胃腸炎は、通常とても急に始まり、最初の1〜2日が最もつらいピークになります。多くの場合、数日以内に改善していきますが、個人差や体力によって経過は変わります。
| 経過の段階 | 目安となる日数 | 主な症状・状態 |
|---|---|---|
| 潜伏期 | 感染後12〜48時間程度 | まだ症状はほとんどなく、突然気持ち悪くなって発症することが多い |
| 急性期(ピーク) | 発症から1〜2日 | 激しい吐き気・おう吐、水のような下痢、腹痛、微熱やだるさが強い |
| 回復に向かう時期 | 発症から2〜4日 | おう吐は落ち着き、下痢の回数も徐々に減るが、食欲不振やだるさが残る |
| ほぼ日常に戻る時期 | 発症から3〜7日 | 食事も戻り、トイレの回数も通常に近づくが、疲れやすさがしばらく残ることも |
- 典型的には「2〜3日でだいぶ楽になる」ことが多いが、個人によって差がある。
- 乳幼児・高齢者・基礎疾患のある人は、回復までやや長引いたり、重症化しやすいのでより慎重に様子を見る。
- 症状が1週間以上続く、悪化する場合は、別の病気や合併症も含めて再受診が必要。
「治る」とはどの状態を指す?
症状が軽快しても、ウイルスはしばらく体から出続ける
ノロウイルスでは、症状が落ち着いて「もう元気」と感じてからも、便の中にウイルスがしばらく残ることが知られています。一般的には、発症から1〜2週間程度はウイルスが排出される可能性があるとされています。
| 状態 | 本人の感覚 | 感染性の目安 |
|---|---|---|
| 急性症状が強い時期 | 吐き気・下痢・発熱などでかなりつらい | 感染性が非常に高い、嘔吐物・便の扱いに最大限の注意が必要 |
| 症状が落ち着き始めた時期 | 吐き気は減り、下痢も少しずつ減るがまだ本調子ではない | ウイルスは引き続き便から出ている可能性が高く、トイレ後の手洗いが特に重要 |
| 日常生活に戻れる時期 | 普段どおり食べられ、トイレの回数もほぼ通常 | 感染リスクは下がるが、完全にゼロとは言い切れないため衛生対策は継続 |
- 「治る=症状がなくなる」ことと、「ウイルスが完全にいなくなる」ことは必ずしも同じではない。
- 症状が軽快しても、しばらくはトイレ後の手洗い・トイレ清掃を念入りに行うことが重要。
- 食品を扱う仕事の場合は、医師や職場のルールに従い、復帰時期を慎重に決める必要がある。
仕事・学校はいつから行って良い?
目安は「症状がなくなってから1〜2日休む」
一般的には、吐き気・おう吐・激しい下痢といった急性の症状が治まり、普通の食事や水分がとれていることが条件になります。そのうえで、周囲への感染を減らすために「症状がなくなってからさらに1〜2日休む」とされることが多いです(具体的な指示は医師・自治体・職場の規定による)。
| 状況 | 出勤・登校の目安 |
|---|---|
| まだおう吐や水のような下痢が続いている | 出勤・登校は避け、自宅で安静。医療機関の受診も検討 |
| 吐き気は落ち着き、下痢もほぼ治っている | 自宅での生活が通常どおりできるかを確認してから、医師・学校・職場の指示に従う |
| 食品を扱う仕事・介護・医療従事者など | 感染リスクが高いため、医師の許可や職場の基準に従い、通常より慎重に復帰タイミングを決める |
- 「熱が下がった=すぐに仕事」はノロでは危険。おなかの症状の有無も重要。
- 学校や保育園では、登校・登園の基準が決まっていることが多いので、事前に確認を。
- 体力が落ちている時期に無理をすると、別の感染症にかかりやすくなることもある。
自宅での過ごし方と回復を早めるポイント
「何日で治るか」より「悪化させない」ことが大事
ノロウイルスの経過は個人差がありますが、共通して大事なのは「脱水を防ぎ、休養を取る」ことです。回復を早めるというより、「こじらせない」ことを意識しましょう。
| ポイント | 具体例 |
|---|---|
| 水分補給 | 経口補水液や薄めのスポーツドリンクなどを、少量ずつこまめに飲む |
| 食事 | おう吐が収まるまで無理に食べない。落ち着いてきたらおかゆ・うどん・バナナなど消化のよいものから少しずつ |
| 安静 | 仕事・家事・勉強を無理に続けず、横になって休む時間を増やす |
| 市販薬 | 下痢止めは原因によっては使わない方が良い場合もあるため、自己判断せず医師や薬剤師に相談 |
| トイレ・環境 | 嘔吐物や便の処理時は手袋・マスクを使い、塩素系漂白剤などでしっかり消毒 |
- 「何日で完全に治るか」を決めつけず、その日の体調に合わせて予定を調整する。
- 高齢者・乳幼児・持病のある人は、軽い症状でも早めの受診・相談が安心。
- 症状がぶり返す・悪化する・1週間以上続く場合は、必ず医師に再度相談する。

