メモリ高騰2025：価格推移と今後の見通しをわかりやすく解説
2025年に入ってから、PC向けメモリやSSDの店頭価格が「数カ月で2～3倍になった」という声が相次いでいます。ここでは、2024年末から2025年にかけてのメモリ価格の推移と、今後の見通しを整理しながら、「これからどう動くべきか」を考える材料をまとめます。
2024～2025年のメモリ価格推移
2025年秋以降に一気に値上がり
PCパーツショップの調査や専門メディアの価格追跡によると、2024年末から2025年前半にかけて、DDR4/DDR5メモリは底値圏で推移していましたが、2025年9～11月頃を境に急激な値上がりが始まりました。特にDDR5では、32GB（16GB×2）キットの価格が数カ月で2～3倍になった事例も報告されています。
| 時期 | 価格傾向（概略） | 特徴 |
|---|---|---|
| 2024年～2025年初頭 | 長期的な値下がり基調で「歴代最安レベル」。 | 在庫調整とPC需要の一服で、セールも多く「買い時」と言われていた。 |
| 2025年春～夏 | 底打ち～じわじわ値上がり。 | AI関連投資の本格化や、メーカーの減産解除で価格が反転し始める。 |
| 2025年秋～初冬 | DDR4/DDR5ともに短期間で2～3倍に跳ね上がるケースも。 | 一部ショップでは購入制限がかかり、「買い時を逃した」との声が増加。 |
- 2024年～2025年前半にかけては「底値圏」で、今と比べるとかなり割安だった。
- 2025年秋以降、AIサーバー向け需要と生産調整が重なり、短期間での急騰局面に入った。
- 特にDDR5や大容量キットで値上がり幅が大きく、体感的な「高くなった感」が強い。
2025年後半～2026年の見通し
2025年末時点では「さらに上昇＋高止まり」予測が優勢
市場レポートや各種分析では、2025年後半から2026年にかけてDRAM価格はさらに上昇する可能性が高いとされ、従来型DRAMだけで四半期ごとに8～13％程度の値上がりが予測されています。
AIデータセンター向けの高性能メモリに対する需要は、価格が上がっても簡単には減らない「インフラ需要」であるため、従来のメモリ市況のサイクルよりも強い上昇圧力が続くと見る向きが多いです。
| 期間 | 想定されるシナリオ | ユーザーへの影響 |
|---|---|---|
| 2025年末～2026年前半 | DRAM価格の四半期ごとの上昇が継続、サーバー向けはさらに高騰。 | PC用メモリ・SSDも高値圏が続き、新しいPC構成のコストが上がる。 |
| 2026年後半以降 | 増産投資や設備拡張の効果で、価格上昇ペースが鈍化する可能性。 | 急騰前のような「超安値」に戻るかは不透明だが、今ほどの高騰感は和らぐ可能性。 |
- 2025年中に「元の値段に戻る」期待は持ちにくく、むしろもう一段高くなるリスクのほうが大きい。
- 2026年以降は、増産やAI投資の一服で落ち着く可能性もあるが、確実視はできない。
- 短期の底値を狙うより、「必要なときに必要分だけ買う」という割り切りも重要になっている。
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メモリだけでなくSSD・HDDも値上がり傾向
同じNANDフラッシュを使うSSDにも波及
価格が上がっているのはDRAMだけではなく、ストレージ製品にも及んでいます。NANDフラッシュの市況上昇により、SSDの価格も2025年に入り底値から反転しつつあり、一部容量帯ではじわじわ値上がりが続いています。
| 製品種別 | 価格動向 | 買うときのポイント |
|---|---|---|
| DRAM（DDR4/DDR5） | 2025年秋以降に急騰、特にDDR5と大容量キットで値上がりが顕著。 | 容量を抑えた構成で様子を見るか、必要な容量を早めに確保するかの判断が重要。 |
| SSD（NVMe/SATA） | 底値から反転しつつあるが、まだ過去最悪レベルではない。 | OS用・ゲーム用など用途を分け、優先度の高いドライブから更新するのがおすすめ。 |
| HDD | 大容量モデルを中心に、じわじわと値上がり傾向。 | バックアップ目的なら、早めに必要容量を確保しておくと安心。 |
- DRAM高騰の陰で、SSDやHDDも「静かに値上がり」している点には注意が必要。
- ストレージは容量・速度の選択肢が多く、少しスペックを落とせば価格を抑えられることも多い。
- バックアップ用HDDだけでも先に確保しておくと、データ保護の面で安心感が増す。
これからのメモリ購入で意識したいポイント
「長く使える構成」と「拡張の余地」で判断する
高騰期にメモリを購入する際は、「今のマザーボードやCPU世代であと何年使うか」「あとから増設しやすいか」を意識して構成を決めると失敗が減ります。将来の拡張余地を残しつつ、当面困らないラインを見極めることが重要です。
| スタイル | 構成例 | メリット・注意点 |
|---|---|---|
| ミニマム構成 | 今は16GB(8GB×2)で、将来32GBへ増設する前提。 | 初期費用を抑えられるが、あとから同一型番を揃えにくくなるリスクもある。 |
| 一気に決める構成 | 最初から32GBまたは64GBで必要容量を満たす。 | 相性問題が少なく、増設の手間も不要だが、高騰期だと初期コストが重くなる。 |
| 中古・流用重視 | 旧PCからの流用や中古メモリを活用。 | コスパは良いが、保証・寿命・相性に注意が必要で、初心者にはやや上級者向け。 |
- 「どうせなら多めに」と無理に大容量を狙うより、使い方に合った容量を見極めることが重要。
- 増設前提なら、最初から空きスロットを確保しておくと後悔しにくい。
- 中古品は、信頼できるショップや十分な検品・保証があるところを選びたい。
