ニホンウナギはいつまで食べられる？絶滅危惧種の現状と規制状況【2025年最新】
この記事では、2025-11-27 時点の公表情報をもとに、ニホンウナギの絶滅危惧の現状や規制の動き、「いつまで食べられるのか」という不安について整理します。ニホンウナギは IUCN レッドリストで絶滅危惧種に分類され、日本でもレッドリスト掲載種として保全が求められています。将来の規制強化や完全養殖の実用化など、今後のシナリオもあわせて解説します。
ニホンウナギが絶滅危惧種とされる理由と現在の状況
ニホンウナギは、乱獲・生息環境の悪化・海流変動など複数要因が重なり、長期的な資源量の減少傾向が続いてきたとされています。日本の河川・湖沼での漁獲量はピーク時の数分の一にまで落ち込んでおり、養殖に使うシラスウナギの確保も年による大きな変動が問題となっています。
そのため国際的には IUCN で「絶滅危惧（Endangered）」に、日本国内でも環境省レッドリストで絶滅危惧種に位置づけられ、保全と持続的利用の両立が求められている状況です。
国際社会での評価とEUの規制提案
欧州連合（EU）は、ウナギ資源の減少に強い危機感を示し、ウナギ属１９種をまとめてワシントン条約（CITES）附属書Ⅱに掲載する案を提案してきました。提案が採択されると、輸出国に対して「資源に悪影響を与えない範囲での国際取引」であることを証明する輸出許可書の発行が義務付けられ、国際取引のハードルが上がります。
2025年11月のワシントン条約会議での「規制案否決」
2025年11月27日、ウズベキスタンで開かれているワシントン条約第20回締約国会議（CoP20）の委員会で、ニホンウナギを含む全ウナギ種を規制対象にする EU 提案の採決が行われました。その結果は、反対１００・賛成３５・棄権８で「否決」という内容で、必要な３分の２以上の賛成に届きませんでした。日本は反対側に回り、否決に向けた働きかけを主導したと報じられています。正式な「不採択」決定は 2025年12月5日の全体会合で確定する見通しですが、逆転採択の可能性は低いとみられています（未確定）。
つまり少なくとも現時点（2025-11-27）では、ニホンウナギの国際取引に新たなワシントン条約上の規制は導入されていないというのが最新状況です（既存の国内管理や資源管理は継続）。
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ニホンウナギは「いつまで食べられる」のか？将来の見通し
「いつまで食べられるのか」という問いに、特定の年や期限を断定することはできません。資源量の回復状況や各国の政策判断によって大きく変わるためです。ただし、いくつかのシナリオは考えられます。
シナリオ① 資源悪化で国内規制が強化される場合
資源の悪化が続き、科学的評価で「回復のめどが立たない」と判断されれば、国内での漁獲枠削減や養殖用シラスウナギの採捕規制強化などが進む可能性があります。その場合、価格高騰や一般向け流通量の減少を通じて「日常的には食べづらい高級食」に近づいていくシナリオが想定されます。
シナリオ② 完全養殖の普及によって「形を変えて」食べ続ける場合
一方で、長年の研究の結果、ニホンウナギの完全養殖技術はすでに確立されており、2025年末ごろから養殖用シラスウナギの供給が市場レベルで始まる可能性があると報じられています。
完全養殖が商業的に軌道に乗れば、「野生由来の稚魚に依存しないウナギ」という形で、持続可能性を高めつつ食文化を守る道も開けます。ただし、生産コストや規模の面で、すぐに全国の需要を満たせるほど普及するかどうかは「未確定」です。
シナリオ③ 国際的な規制が再提案・採択される可能性
今回の CITES 規制案は委員会段階で否決されましたが、将来にわたり同様の提案が出ない保証はありません。資源状況が悪化したり、国際世論が「より強い保護」を求める方向に動けば、数年後に再び規制強化案が議論される可能性もあります。
現時点で言えること（要点）
- 2025-11-27 時点で「いつから食べられなくなる」という決定事項は存在しない（将来の規制は未確定）。
- ただし資源は依然として危機的水準とされ、消費量を抑えつつ資源回復を図る必要がある段階。
- 完全養殖や国内管理の強化により、「食べ方や頻度を見直しながら文化を守る」形が現実的な方向性と考えられる。
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ニホンウナギをめぐる主な規制とその影響（一覧表）
| 規制・制度 | 内容の概要 | 対象地域 | ステータス （2025-11-27 時点） | 想定される影響 |
|---|---|---|---|---|
| 環境省レッドリスト | ニホンウナギを絶滅危惧種として指定し、保全の優先度を明示 | 日本 | 掲載継続 | 保全施策の優先対象となり、資源管理強化の根拠となる |
| CITES 附属書Ⅱ EU 提案 | ウナギ属１９種の国際取引に輸出許可を義務付ける案 | 締約国全体 | 委員会で否決（全体会合で不採択見通し・未確定） | 採択されれば輸入コスト増・価格上昇の可能性があった |
| 国内のシラスウナギ採捕規制 | 採捕期間・漁獲枠の設定や報告義務など | 日本 | 都道府県ごとに運用、見直しが継続 | 違法採捕の抑制と資源回復、養殖コストへの影響 |
| 完全養殖技術の実用化 | 人工ふ化から成魚までを閉鎖系で育てる技術 | 主に日本 | 一部で商品化準備が進行中（2025年末以降に市場投入の可能性・未確定） | 野生資源への依存低下が期待される一方、価格や供給量は今後の課題 |
ここまでの要点まとめ
- 国際取引の新たな一括規制案は 2025年11月に委員会段階で否決された。
- しかし資源は依然として危機的で、国内外での管理強化や完全養殖の普及が鍵となる。
- 「いつまで食べられるか」は政策と資源管理次第であり、私たちの選び方も将来を左右する要素となる。
私たちができる「ウナギの選び方」と消費のポイント
少量でも「年に数回の楽しみ」として味わう
大量消費ではなく、「土用の丑の日など年に数回の行事食として少量を味わう」スタイルにシフトすることで、資源への負荷をやわらげつつ文化を守る選択肢があります。
産地表示や認証の確認
パッケージに表示されている原産国・養殖地・加工地を確認し、信頼できる事業者やトレーサビリティの整った商品を選ぶことも、持続可能な利用を後押しします。
代替魚やうなぎ風商品との上手な付き合い方
最近では、ナマズやサバなどを使った「うなぎ風」商品も増えています。こうした代替品を日常的に取り入れ、本物のニホンウナギは特別な日に味わうというバランスも一案です。
行動のポイントまとめ
- 「頻度」よりも「質」を重視し、年数回の楽しみにする。
- 産地・養殖情報を確認し、信頼できる商品を選ぶ。
- 代替品や他の魚種も取り入れ、食卓の多様性を高める。
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