ウグイスとメジロの見分け方|鳴き声・色・季節の違いをやさしく解説
「ホーホケキョ」と鳴くのはウグイス?梅の花にとまっているのはメジロ? 春になるとよく話題になる2種の野鳥の違いを、見た目・鳴き声・よく見られる季節から整理して解説します。この記事の情報は時点の野鳥図鑑・解説記事をもとにまとめています。
ウグイスとメジロ、いちばん簡単な見分け方
色と目のまわりを見る
| 特徴 | ウグイス | メジロ |
|---|---|---|
| 体の色 | 全体的にオリーブ色〜茶色がかった地味な色。胸や腹もくすんだ色。 | 頭〜背中が黄緑色で、胸は薄い黄〜白。全体的に明るいグリーンで目立つ。 |
| 目のまわり | とくに目立つ白い輪はない。 | 白いアイリング(くっきりした白い目の輪)があるのが最大の特徴。 |
| よくいる場所 | やぶの中や藪の下草など、暗くて隠れられる場所が好き。なかなか姿を見せない。 | 梅・桜・椿など花の咲く木や、柿・ミカンなどの実のなる木の枝先に出てくる。庭にもよく来る。 |
| 鳴き声のイメージ | 春のさえずり「ホーホケキョ」、警戒声「ケキョケキョケキョ…」、秋冬は「チャッ チャッ」。 | 「チーチー」「チュルチュル」「ピーピー」など、高く澄んだ短い声でにぎやかに鳴く。 |
ざっくり言うと
- 「地味な茶色で藪の中」がウグイス、「黄緑色で目の周りが白い」のがメジロ。
- ホーホケキョと鳴くのはウグイスだが、梅の花の上でよく見えるのはメジロであることが多い。
鳴き声の違い:ホーホケキョ vs ピーピー
ウグイスの鳴き声
- さえずり(春〜夏):「ホーホケキョ」で有名。オスだけが、メスへの求愛や縄張り宣言のために鳴く。
- 谷渡り:「ケキョケキョケキョ……」と連続して鳴く警戒の声。巣作りの季節によく聞かれる。
- 地鳴き(秋〜冬):「チャッ チャッ」と控えめな声で鳴き、やぶの中から聞こえることが多い。
メジロの鳴き声
- 「チーチー」「チュルチュル」「ピーピー」など、高く細かい声でよくさえずる。
- 複数羽で「チュルチュル…」とおしゃべりするように鳴き交わすことも多い。
- ウグイスのような長い節の「ホーホケキョ」とは明らかにリズムが違う。
鳴き声での見分けポイント
- ゆったりした節で「ホーホケキョ」→ウグイス。
- 短く高い声で「チーチー」「チュルチュル」→メジロ。
- 姿が見えない時は、声のリズムと長さに注目すると判別しやすい。
見られる季節と場所の違い
ウグイス:春告鳥だけど一年中いる
- 日本では多くの地域で留鳥または漂鳥として一年中生息している。
- 春先(2〜4月)になると、人里近くの藪や林で「ホーホケキョ」とよく鳴くため、「春告鳥」と呼ばれる。
- 巣作りの季節には山側の藪に移動し、夏以降は声を聞く機会が減るだけで、いなくなるわけではない。
メジロ:花と果実の季節に目立つ鳥
- 一年を通して見られるが、特に目立つのは梅や桜が咲く春先と、柿やミカンがなる秋冬。
- 花の蜜や果汁が大好きで、庭にミカンを差しておくと群れでやって来ることもある。
- 複数羽で寄り集まる習性があり、「目白押し」という言葉の語源にもなったとされる。
季節での見分けヒント
- 早春に藪の中から聞こえるホーホケキョ→姿は見えなくてもウグイスの可能性大。
- 梅や桜の花の上で、黄緑色の小さな鳥が蜜を吸っている→メジロのことが多い。
写真で確認するポイントと観察のコツ
写真・双眼鏡でチェックしたいところ
- まず目の周りに白いリングがあるかどうかを確認(あればメジロ)。
- 体色が地味な茶色系で、藪の中に溶け込むようならウグイスの可能性が高い。
- 枝先の見やすいところによく出てくるのはメジロ、藪の奥でチラッとしか見えないのはウグイス…という傾向がある。
観察するときのマナー
- 巣やヒナにむやみに近づかない(ストレスになるため)。
- エサを与えすぎると依存を招くので、自然な環境の観察を基本に。
- 公園や庭で観察するときも、大きな音を立てず静かに双眼鏡で探すのがコツ。

