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下請法改正で中小企業はどう変わる?影響と“今からできる”対策まとめ

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下請法改正で中小企業はどう変わる?影響と“今からできる”対策まとめ

「うちは下請け側だから守られる側でしょ」——そう思っていたら、実は自社が“発注する側”でもあり、両方の顔を持っていた。中小企業あるあるです。

この記事は2026-01-06時点で、下請法改正(取適法化)が中小企業に与える影響を、受託側(受注)委託側(発注)に分けて整理し、今日から動ける対策に落とし込みます。

不安を煽るのではなく、「だから何をすればいいか」が分かるところまで一気に行きます。

中小企業の受託側・委託側それぞれへの影響を整理するイメージ(価格交渉・支払・対象拡大)
中小企業は“受ける側”にも“出す側”にもなりがち。立場を分けると対策が見えます。
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最初に整理:中小企業は3タイプに分かれる(受託だけ/委託だけ/両方)

対策の精度を上げるコツは、まず立場を分けることです。

A:受託が中心(部品加工、制作、運送、システム保守などで“受ける”比率が高い)
B:委託が中心(製造や販売のために外注・再委託を多用する)
C:両方(自社も発注するが、自社も受注する。いちばん多い)

ここでよくある勘違いは、「自社は小さいから規制する側じゃない」。改正で従業員基準が入るため、資本金が小さくても従業員規模によっては“委託側としての義務”が重くなる可能性があります。つまり中小企業でも、コンプラ対応が必要な場面が増えます。

  • まず自社のタイプ分け:受託/委託/両方で対策が変わる
  • 中小でも委託側の義務が出る:従業員基準で対象が広がる
  • “うちは関係ない”が一番危ない:立場の棚卸しが最短
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受託側(中小企業が守られる側)の影響:キャッシュと価格交渉が前に進みやすい

受託側にとって嬉しい影響は、正直2つに集約されます。お金(回収)単価(価格交渉)です。

①手形等の見直しで、資金繰りが少し現実に寄る

改正では手形払いが禁止方向になり、さらに“満額を期日までに得にくい支払手段”も問題になり得ます。受託側の体感としては、「現金化の負担を自社だけで抱え込む設計が通りにくくなる」イメージです。

もちろん、すべての取引が一瞬で現金払いになるわけではありません。でも、交渉の材料として「ルールが変わるので支払条件を見直したい」が言いやすくなります。これ、地味に強い。

②価格協議を“無視される”運用がやりにくくなる

改正の核は、協議要請があったのに協議に応じない、または説明しないまま一方的に代金を決める運用を問題視する点です。

受託側にとってのポイントは、「値上げを勝ち取る」こと以上に、協議のテーブルに乗せること。テーブルに乗れば、仕様変更・納期調整・段階的改定など“落としどころ”を作れるからです。

③運送委託が対象に入りやすくなり、物流系中小にも効く

運送の委託が対象に入る方向(特定運送委託)により、物流・運送関連の受託側も“守られる対象”として議論されやすくなります。荷待ち・荷役などの問題が背景にあると考えると、現場の痛点に近い改正です。

受託側の影響 現場のメリット 注意点 すぐできる一手
支払手段の見直し 回収の負担が軽くなる方向 取引類型・対象判定次第で適用範囲が変わる 主要取引先の支払条件を一覧化
価格協議の実効性 「据え置き一択」が通りにくくなる 協議を求めた証拠がないと戦えない 協議依頼はメールで記録を残す
運送委託の対象追加 物流系の取引慣習にメスが入りやすい 契約条件(荷役・待機)を曖昧にすると揉める 荷待ち・荷役の条件を文書化
  • 受託側は“交渉材料”が増える:支払と単価が動かしやすい
  • 証拠が命:協議依頼・回答はメール等で残す
  • 物流は条件の明文化が効く:荷待ち・荷役を“当然”にしない
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委託側(中小企業が発注する側)の影響:やることは増えるが、事故は減らせる

委託側は「面倒が増える」面が先に来ます。でも裏返すと、運用を整えることで揉め事と手戻りが減るチャンスでもあります。

①従業員基準で、突然“対象ど真ん中”になる可能性

改正で従業員基準が入るため、資本金だけを見て「対象外だと思ってた」会社が、対象になってしまうケースが出ます。特に、スタートアップ期に資本金を薄く置いたまま人が増えた会社や、M&A後に従業員規模が膨らんだ会社は要注意です。

②価格協議のプロセス整備が必須に

「値上げのお願いが来たら、とりあえずスルー」——忙しいと、やってしまいがち。でも改正の方向性を踏まえると、スルーは危険です。

対策はシンプルで、受付→検討→回答→説明→記録の型を作ること。値上げを飲めないときほど、説明と代替案が必要になります。ここをサボると“プロセスが不適切”に見えやすくなります。

③支払条件の点検:手形に限らず「満額が期日までに届くか」を見る

委託側は、支払方法の慣習を変える必要が出ます。経理が「昔からこれで回してるんで…」と言いたくなるやつです。分かる。でも、ここは変えどき。

支払期日までに満額を得られない設計(手数料を相手に負担させる設計など)が残っていれば、見直しが必要になります。

  • 委託側は“対象判定”が最初:従業員規模で対象化の可能性
  • 価格協議は型で回す:スルー運用を卒業
  • 支払は経理だけの問題じゃない:取引条件として全社で見直す
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中小企業がやるべき対策:5つの“型”を作れば回る

ここからが本題。「で、何を作ればいいの?」に答えます。中小企業の現場は人が少ないので、豪華な仕組みよりが勝ちます。

対策① 対象判定シート(資本金+従業員+取引類型)

Excelでも紙でもOK。まず自社と主要取引先について、資本金・従業員数・取引の種類(製造/修理/情報成果物/役務/運送)を並べます。これで「どの取引が改正の影響を受けるか」が一気に見えます。

対策② 発注書・契約テンプレの更新(電子前提+保存前提)

メールで送れるようになっても、探せなければ意味がありません。テンプレは「送付」「保存」「検索」の3点セットで設計します。件名ルール、添付ファイル命名、保存先(フォルダ/クラウド)まで決めると現場が迷いません。

対策③ 価格協議フロー(協議依頼の受付から回答まで)

おすすめは“最短で回る”フローです。

受託側から依頼 → 受付(購買) → 試算(現場/経理) → 判断(責任者) → 回答(理由+代替案) → 記録保存。
これだけで「無視してない」「説明してる」が担保されやすくなります。

対策④ 支払条件の再設計(相手が期日までに満額を得られるか)

支払サイト、支払手段、手数料負担を一度“受託側目線”で読み替えます。受託側が満額を期日までに得るのが難しい設計なら、将来的にトラブルになりやすい。ここを先に潰すと、交渉コストが下がります。

対策⑤ 相談・申告が来たときの社内対応(感情で動かない)

「相談された=裏切られた」みたいな空気、組織では起きがちです。でもやるべきは逆で、淡々と事実確認し、取引条件の是正を検討し、不利益扱いをしない。ここをルール化しておくと事故が減ります。

部門 影響が出やすいポイント 対策(最小構成) チェックの合言葉
営業(受託) 価格協議の申し入れ 協議依頼はメールで、根拠(コスト上昇)を添付 「言った・言わない」を消す
購買(委託) 協議を無視していないか 受付→回答の期限を決め、説明文テンプレ化 「放置ゼロ」
経理 支払手段・手数料負担 支払条件一覧を作り、問題パターンを抽出 「期日までに満額?」
物流担当 運送委託・荷待ち・荷役 待機・荷役の条件を契約に明記 「曖昧な当然をなくす」
経営・管理 対象判定と社内統制 対象判定シートと社内教育(年1回でも) 「うちは対象?」を即答
  • 対策は5つの型:対象判定/テンプレ/協議フロー/支払再設計/相談対応
  • 最小構成で回す:中小企業は“完璧”より“継続”が強い
  • 証拠は未来の自分を助ける:メール・議事メモ・保存が効く
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今週からできる「ミニ対策」:1時間で終わるチェックリスト

最後に、重い腰を上げるためのミニ版です。まずはこれだけでOK。

①主要取引先10社の支払条件を並べる
②値上げ依頼が来たら“24時間以内に受付返信”する(放置しない)
③荷待ち・荷役が発生している運送取引があるか確認
④発注書テンプレを1つだけ更新(電子で送って保存できる形に)

これだけでも、“改正対応っぽいこと”が始まります。完璧じゃなくていい。動き出すのが大事です。

  • 最初は10社で十分:全取引を一気にやらない
  • 放置を消すだけで変わる:協議は“返事”から始まる
  • 物流は明文化が効く:曖昧なコストが一番揉める
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