cloudflare 障害 2025年11月18日 原因と影響をわかりやすく解説
2025年11月18日に発生したCloudflare(クラウドフレア)の大規模障害は、X(旧Twitter)やChatGPTを含む世界中のサービスに影響しました。この記事では、公式ポストモーテムや各種レポートをもとに、「なぜインターネットの大部分が一斉にエラーになったのか」をシンプルに整理します。2025-12-05 時点で判明している原因・仕組み・影響範囲をまとめ、技術に詳しくない人にもイメージしやすいように説明します。
2025年11月18日のCloudflare障害で何が起きた?
発生時刻と影響範囲のざっくりタイムライン
Cloudflareの公式ブログや各種分析によると、障害は世界標準時11:20頃から発生し、数時間にわたって多くのサイトでHTTP 5xxエラー(サーバ内部エラー)が続きました。
| 時刻(UTC) | 出来事 | ユーザー側の症状 |
|---|---|---|
| 11:20 頃 | CloudflareのネットワークでコアHTTPトラフィックの障害が発生 | 「5xxエラー」「Cloudflare network error」などが表示されサイトにアクセスできない |
| 11:30〜12:30 | 世界中で障害が急速に拡大し、多数のサービスが同時にダウン | X、ChatGPT、各種ゲーム/配信/ニュースサイトなどにアクセス障害が発生 |
| 14:30 頃 | 主要なトラフィックはほぼ復旧し、徐々に正常化 | 一部サービスでまだ遅延やエラーが残るが、多くのサイトは再び利用可能に |
| その後 | 詳細な事後検証(ポストモーテム)を公開 | 技術的な原因や再発防止策が順次共有される |
- Cloudflareは世界中のWebサイトのCDN・WAF・リバースプロキシとして広く使われている
- そのため、Cloudflare側で障害が起きると、多数のサイトが一斉に「落ちたように見える」
- 今回も、XやChatGPTを含む大規模サービスが巻き込まれたのが特徴
原因:ボット管理機能のバグと巨大化した設定ファイル
Bot Management関連の設定生成ロジックに不具合
Cloudflareの公式ポストモーテムによると、この障害は「ボット管理(Bot Management)機能のフィーチャーファイルを自動生成するロジックのバグ」が原因でした。
本来であれば一定サイズに収まるはずの設定ファイルが、特定の条件下で異常に巨大化し、それを読み込んだCloudflare内部のトラフィック処理ソフトウェアがクラッシュ。結果として、Cloudflare経由のHTTPトラフィックが広範囲でエラーを返す状態になりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直接のトリガー | Bot Management用フィーチャーファイルの生成ロジックに存在したバグ |
| 具体的な問題 | 生成された設定ファイルが想定以上に巨大になり、内部コンポーネントが処理しきれずクラッシュ |
| 影響したコンポーネント | トラフィック制御やルーティングを担うコアHTTPサービス |
| 攻撃の可能性 | サイバー攻撃やDDoSではなく、あくまでCloudflare内部のバグと設定変更が重なった結果と説明 |
- 原因は「設定の人的ミス」というより、内部ロジックの潜在バグが露呈した形
- 巨大化した設定ファイルが複数データセンターに一斉に展開されたことで影響が世界規模になった
- Cloudflareは、設定ファイルサイズの上限や段階的ロールアウト強化などを再発防止策として挙げている
なぜXやChatGPTが同時に「つながらない」状態になったのか
Cloudflareは「ユーザーとサービスの間にいるゲートウェイ」
多くの人気サービスは、DDoS対策やキャッシュ、高速化のためにCloudflareのネットワークの裏側で動いています。ユーザーがXやChatGPTにアクセスするとき、実際には Cloudflare → その先のアプリケーションサーバ という順番で通信が流れます。
| レイヤー | 役割 | 今回の障害時に何が起きたか |
|---|---|---|
| ユーザー | ブラウザ/アプリからサイトにアクセス | 画面上には「Cloudflare error」「5xx」などのメッセージが表示される |
| Cloudflare | CDN・WAF・リバースプロキシとしてリクエストを中継 | 内部エラーにより、リクエストを先のサーバーまで届けられずエラーページを返してしまう |
| 各サービス(XやChatGPTなど) | アプリケーション本体 | 多くの場合、アプリ自体は動いているが、Cloudflare経由で到達できないため「落ちているように見える」 |
- 障害の「震源地」はCloudflare側だが、ユーザーからはXやChatGPTが落ちたように見える
- Cloudflareを使っていない一部サイトは問題なく動いていた
- 「インターネットの20%以上が影響を受けた」とする推計もあり、依存度の高さが話題に
今回の障害から見えるインターネットの課題
集中するインフラと「単一障害点」のリスク
今回の障害は、技術的には一つのバグ+設定変更が引き金でしたが、その影響は世界中のユーザー・企業・サービス運営者に及びました。これは、Cloudflareのようなインフラ事業者が、どれほどインターネットの「見えない基盤」として重要になっているかを示しています。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 依存度の高さ | サイト運営者にとっては便利で強力なサービスだが、多くが同じ基盤に依存すると障害時のインパクトも大きくなる |
| 設計上の教訓 | 設定ファイルのロールアウト方法やフェイルセーフの設計が重要であることが浮き彫りに |
| 利用者側の教訓 | サービス側で「マルチCDN」「一部Cloudflareを経由しないパス」を用意するなど、冗長化を検討する動きも |
- インフラレイヤーの障害は、個別サービスの努力だけでは完全に防げないことがある
- それでも、マルチクラウド/マルチCDNなどの冗長化で影響を軽減する設計は可能
- ユーザー側は「自分の回線の問題か、インターネット全体の問題か」を切り分ける視点を持つと混乱しにくい
ユーザーはこの手の障害とどう付き合えばよいか
「自分のせいではない障害」の見分け方
今回のようなCloudflare障害が起きたとき、ユーザー側でできることは多くありません。ただし、「自分のWi-Fiや端末の問題ではない」と早めに分かるだけでも、余計な再起動や設定変更を繰り返さずに済みます。
| チェックポイント | 確認方法 | Cloudflare障害の可能性が高いサイン |
|---|---|---|
| 複数サイトの状態 | X、ChatGPT、ニュースサイトなど、まったく別のサービスを3つ以上試す | どれも似たようなCloudflare系エラーが出る |
| 公式ステータス | Cloudflare StatusやXの公式アカウントを確認 | 「広範囲な障害」「世界的な影響」といったアナウンスが出ている |
| ニュース・SNS | 「Cloudflare 障害」「Cloudflare down」で検索 | 多数のユーザー報告やニュース記事が一斉に出ている |
- 自分の環境の問題か、インターネット全体の障害かを切り分けるだけでもストレスが減る
- Cloudflare障害そのものをユーザーが直すことはできないので、復旧を待つしかない
- サービス側・インフラ側はこの経験を踏まえて冗長化や安全策を検討している

