【保存版】一級建築士の給料はいくら?平均年収・年齢別・業種別・独立の稼ぎ方まで徹底解説
要点サマリ(忙しい人向け)
- 会社員の年収目安:設計事務所で420〜700万円、ゼネコンで550〜900万円、デベロッパーで600〜1,000万円、公務員で500〜800万円。
- 経験で伸びる:実務5年で年収+50〜150万円、主任〜係長クラスで700万円台も。
- 手当が効く:資格手当(月1〜5万円)、監理・現場手当、残業代で年収が数十万円変動。
- 独立(フリーランス)は振れ幅大:年収400万〜1,500万円超。安定には営業力と継続案件が鍵。
1. 一級建築士の平均年収と初任給の目安
- 初任給(未経験〜第二新卒):月給23〜30万円(資格未取得)。
- 有資格の若手(実務3〜5年):年収450〜650万円。
- 中堅(実務7〜12年):年収600〜850万円。
- 管理職・意匠/構造のリード:年収800〜1,100万円。
- 役職者・大手デベ・外資:1,200万円超も一部で現実的。
ボリュームゾーンは500〜800万円。東京圏・大手ほど上振れ、地方・小規模は下振れしやすい傾向です。
2. 業種別の年収レンジ(相場観)
| 業種 | 主な仕事内容 | 年収レンジ(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 設計事務所(意匠・構造・設備) | 基本/実施設計、監理 | 420〜700万円 | 残業多め/賞与は業績連動。専門性で伸びる |
| ゼネコン(設計/施工) | 施工計画・現場管理・設計 | 550〜900万円 | 手当・残業・現場加算が厚い |
| デベロッパー | 企画・開発・設計監修 | 600〜1,000万円 | 企画力+調整力で評価。インセンあり |
| 建設コンサル・PM/CM | 品質・コスト・工程管理 | 600〜950万円 | 英語・法規・契約強いと上振れ |
| ハウスメーカー | 住宅設計・申請・監理 | 480〜800万円 | 成果手当・歩合が入るケース |
| 公務員(建築職) | 審査・営繕・発注者業務 | 500〜800万円 | 安定・超勤は控えめ/昇給は年功寄り |
3. 月収・手取りのリアル
- 月給:基本給+資格手当(1〜5万円/月)+役職手当
- 賞与:年2〜4か月が目安(設計事務所は業績ブレ大)
- 残業代:45時間超の固定残業 or 全額支給で差。残業45hで**+5〜8万円/月**程度の会社も。
- 手取り換算(年収600万円の例):税社保で概ね18〜22%控除 → 月手取り31〜34万円+賞与手取り
4. 年齢・経験年数別の相場(モデルケース)
| フェーズ | 役割 | 年収目安 | コメント |
|---|---|---|---|
| 22–25歳 | アシスタント | 350–480万 | 実施図、法規、申請の基礎を固める |
| 26–30歳 | 担当設計 | 450–650万 | 一級取得+小〜中規模で主担当へ |
| 31–35歳 | 主任・主任技師 | 600–800万 | 複数案件を並行、若手育成 |
| 36–40歳 | 課長・係長級 | 700–950万 | 収益責任や大型案件の要を担う |
| 40歳以上 | 管理職・専門職 | 800–1,200万 | マネジメント or 高度専門への特化 |
5. 地域差・案件規模でどれくらい変わる?
- 都市圏プレミアム:首都圏・政令市は**+10〜20%**。
- 大型案件ボーナス:商業・病院・物流・再開発は単価が高く昇給要因。
- 公共比率:公共中心は安定、民間中心は波があるが伸びやすい。
6. 独立・フリーランスの収入レンジ
- 売上の考え方:設計・監理料は工事費の8〜12%前後が目安(用途・規模で大きく変動)。
- 年収の振れ幅:固定費(人件費・家賃)を差し引くと400〜1,500万円超。
- 案件例:
- 住宅3,000万円×2件=設計監理料約480〜720万円(粗利は外注・経費で変動)
- 小規模テナント改修×多数=キャッシュは早いが単価は低め
- 鍵:紹介ネットワーク、施工会社連携、行政・審査機関連携のスピード、写真/広報。
7. 給料を上げる現実的な方法
- 得意領域の明確化:意匠 or 構造 or 設備、BIM、法規・申請、医療/物流/木造耐火など。
- 収益に直結するスキル:積算・原価、VE、PM/CM、英語、都市計画・法手続。
- BIM/デジタル:Revit/Archicad/Navisworks/Dynamo等で工数削減=利益貢献を可視化。
- 資格・講習:建築設備士、構造設計一級建築士、監理技術者、CASBEE、AP/LEEDなど。
- 転職の活用:同業間でも**+50〜150万円**上がる例多数。大手・デベ・PM/CMは年収テーブルが高い。
- 交渉のコツ:評価面談は**数値(工数短縮、受注額、回収率、BIMテンプレ整備)**で語る。
8. 残業・働き方と年収の関係
- 建築は繁忙期の偏りが大きい。残業代で一時的に年収が上がっても、可処分時間と健康コストを忘れずに。
- 36協定・みなし残業の中身を入社前に確認。全額支給か、固定何時間かで年収は数十万変わる。
9. よくある質問(FAQ)
Q. 一級に受かった瞬間にいくら上がる?
A. 資格手当 月1〜5万円が相場。賞与評価と合わせて年+20〜60万円上がるケースが多いです。
Q. 設計事務所は給料が低い?
A. 小規模は低めになりがち。ただし専門性・受注力・BIM化で中堅以上は十分に伸びます。
Q. 女性の年収は?
A. 職務・スキル・役職で決まり、性別での明確な差は縮小。育休復帰や時短・在宅の選択肢が増加傾向。
Q. 英語はどれくらい有利?
A. 外資PM/CM・ホテル・物流・インバウンド案件で年収+50〜150万円の上振れ要因に。
10. まとめ
- 一級建築士の年収は業種×地域×経験×手当で決まる。ボリュームは500〜800万円、専門・管理で1,000万円前後も現実的。
- 資格手当・残業・賞与の制度設計で実収入は大きく変動。
- キャリア設計は「専門特化(技術)」か「上流(企画・PM/CM)」かを早めに描くと年収の逓増が速い。

