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バロック建築とは?特徴・地域差・代表作・見学のコツまで徹底解説

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【保存版】バロック建築とは?特徴・代表作・地域差・見学ポイントを一気に解説

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バロック建築の概要

  • 時期:おおよそ16世紀末〜18世紀半ば。ルネサンス後、ロココ前。
  • 背景:カトリックの**対抗宗教改革(トリエント公会議以後)**や王権国家の誇示を受け、信仰と権威を“感覚的・劇的”に訴える建築が求められた。
  • キーワード:曲線/楕円(オーバル)/劇場性/光の演出/動き(ダイナミズム)/スケノグラフィ(都市的舞台設定)/総合芸術(建築×彫刻×絵画)。

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バロック建築の主要特徴(ここを見れば“バロック”)

  1. 曲線と楕円平面
    直線・正円中心のルネサンスに対し、楕円・波形ファサード・渦巻くボリュートで空間を“動かす”。
  2. 光の演出
    天窓・側廊上部の隠し窓・反射素材で**劇的な明暗(シャルスキューロ)**を設計。
  3. 巨大オーダーと立体的外装
    2層を貫く巨大柱(ジャイアント・オーダー)、突出するコーニスや湾曲壁で陰影を深く。
  4. ドームと上昇感
    連続するドーム/ペンデンティヴ/楕円ドームで天への上昇性を強調。
  5. 総合芸術
    スッコ(塑像)・スタッコ装飾・フレスコ天井画・金箔、そして彫刻・祭壇・家具まで統合デザイン
  6. 都市スケールの“演出”
    広場・参道・ファサードを視軸に沿って連結し、到達体験そのものをデザイン。

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地域別の個性と代表作

イタリア(ローマ)—バロックの震源

  • ベルニーニ:サン・ピエトロ大聖堂広場のコロネード、バルダッキーノ、ナヴォーナ広場の四大河の噴水
  • ボッロミーニサン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネサンティヴォ・アッラ・サピエンツァ楕円と双曲面の極致。
  • サン・ピエトロ大聖堂(ミケランジェロの計画を継ぎ完成期にバロック化)。

フランス—王権の威信(荘重・軸線重視)

  • ヴェルサイユ宮殿(ル・ヴォー/アルマン=ジュール・マンサール):長軸・庭園・鏡の回廊、都市〜庭園を貫く視軸計画。
  • アンヴァリッド(ドーム教会):黄金ドームと厳格ファサードで古典厳格バロック

スペイン/ポルトガル—華麗で装飾的(チュリゲラ様式ほか)

  • サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂 オブラドイロのファサード
  • サン・イシドロ教会(マドリード)
  • ポルトの聖フランシスコ教会アズレージョ(青タイル)による内装が特徴。

ドイツ・オーストリア—ロココへ接続する豊穣な室内

  • ヴュルツブルク司教館(バルタザール・ノイマン):階段室と天井画の総合芸術。
  • カールス教会(ウィーン)メルク修道院:光と装飾の海。

イギリス—理性寄りのイングリッシュ・バロック

  • セント・ポール大聖堂(ロンドン)クリストファー・レン:均整と壮大さのバランス。

ラテンアメリカ—“ウルトラ・バロック”

  • メキシコの都市教会群(プエブラ、タスコ等)ブラジル・オウロ・プレート(アレイジャジーニョ):金・木彫・石彫の密度が圧巻。

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ルネサンス/ロココとの違い(3行で把握)

  • ルネサンス:比例・調和・幾何の明晰さ。静的・理性。
  • バロック:曲線・楕円・光・巨大オーダー。動的・劇的説得。
  • ロココ:室内装飾中心、軽やかな曲線とパステル、親密で遊戯的。

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構法・デザインの“観察ポイント”

  • 平面:**楕円(オーバル)**やギター型、集中式+縦軸のハイブリッド。
  • 立面波打つファサード、中央強調、サイドのコンケーヴ(凹)/コンヴェックス(凸)が交互に。
  • 隠し窓やクリアストーリーで祭壇・彫像にスポット。
  • オーダージャイアント・オーダーが2層をまとめ、スケール感を増幅。
  • 装飾:スタッコ、金箔、マーブルリング(擬大理石)。天井画は透視図法で“天井が開く”演出

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現地での見学コツ

  • 時間帯:午前は正面、午後は側面の光と陰影が劇的。
  • 視軸:広場→参道→ファサード→祭壇の**“到達物語”**を追いながら歩く。
  • 上を見上げる:ドームのペンデンティヴ装飾、天井画のだまし絵は足を止めて。
  • 音響:ミサやオルガンの時間は**空間の“音の設計”**が体感できる。

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用語ミニ辞典

  • コンケーヴ/コンヴェックス:凹/凸。ファサードのうねりを生む基本語。
  • ジャイアント・オーダー:上下階を貫く巨大柱式。
  • スケノグラフィ:舞台美術的な空間演出。都市軸や階段・噴水を含む。
  • イルミナティオ:聖所を光で強調する演出思想。
  • チュリゲラ様式:スペイン系の過剰装飾バロック。

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代表作まとめ(旅行リストに)

  • ローマ:サン・ピエトロ広場、サン・カルロ、サンティヴォ、ナヴォーナ広場
  • パリ近郊:ヴェルサイユ宮殿
  • マドリード/サンティアゴ:サン・イシドロ、オブラドイロのファサード
  • ウィーン:カールス教会、メルク修道院
  • ロンドン:セント・ポール大聖堂
  • ヴュルツブルク:司教館

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まとめ

バロック建築は、理性の次に来る“感情の建築”
曲線・楕円・光・巨大オーダー・総合芸術で人の心に訴えかけ、都市全体を舞台に変えました。鑑賞のコツは、**動線と光の“演出”**を読み解くこと。ファサードのうねりとドームの上昇感、その先に置かれた祭壇や彫像まで、連続する体験として味わいましょう。

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