癌5年生存率をステージ別に比較:限局・領域・遠隔でここまで違う
「ステージは何期ですか?」と聞いた瞬間、頭の中が真っ白になる人は多いはず。2026-01-16の時点で公表されている最新級の全国データを使い、ステージ別(進展度別)の5年生存率を“比較しやすい形”にまとめました。数字を見て落ち込むためではなく、次の一手を考えるための材料にするのが狙いです。
「ステージ別」って、実は2つの言い方がある(ここで混乱しがち)
ネットで出てくる「ステージI〜IV」は臨床でよく使う表現。一方、公的統計では進展度(限局・領域・遠隔)でまとめていることが多いです。今回の最新データもこの区分です。
ざっくり対応づけると、限局=早期寄り、領域=リンパ節や周囲への広がり、遠隔=転移(ステージIV相当のことが多い)。ただし、がん種ごとのステージ定義は細かく違うので、「同じ言葉でも別ルール」が混ざる点には注意が必要です。
- ここだけ覚えればOK:統計の「ステージ別」は、まず進展度(限局/領域/遠隔)を指すことが多い。
- 判断の目安:主治医に「統計でいう限局・領域・遠隔だとどれに近い?」と確認すると迷いが減る。
- ツッコミ一言:“ステージだけ”で比較すると、病理型や遺伝子タイプの差が置き去りになりがち。
最新データで比較:主要がんのステージ別(進展度別)5年純生存率
厚生労働省の全国がん登録(2016年診断、15歳以上)の集計から、主要部位の「限局・領域・遠隔・合計」を抜粋しました。ここを見ると、同じ病名でも“別ゲーム”になる理由が一発で分かります。
| 部位 | 限局 | 領域 | 遠隔 | 不明 | 合計(全病期平均) | 読み方のコツ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 胃 | 90.8% | 48.4% | 6.0% | 26.4% | 64.0% | 「平均64%」は早期も進行も混ざる。自分の病期に寄せて見よう。 |
| 大腸(結腸・直腸) | 91.6% | 72.6% | 17.0% | 32.4% | 67.8% | 早期と遠隔で差が大きい。領域でも7割超が見えるのが特徴。 |
| 肺 | 77.4% | 34.5% | 9.4% | 14.7% | 37.7% | 限局と遠隔の落差が大きい部位。病型・遺伝子でさらに変わる。 |
| 乳房(女性中心) | 98.3% | 88.6% | 40.2% | 60.0% | 88.0% | 遠隔でも4割台が見える一方、治療の個別化が強い領域。 |
| 子宮 | 93.9% | 68.1% | 21.0% | 48.1% | 75.5% | 頸部・体部で性質が違う。自分がどちらかも重要。 |
| 前立腺 | 105.3% | 95.9% | 53.0% | 60.9% | 92.1% | 100%超は“統計の仕様”。数字の意味を医師に確認すると安心。 |
| 肝および肝内胆管 | 51.1% | 11.7% | 2.5% | 13.9% | 33.4% | 背景疾患や肝機能が影響しやすい。病期以外の要素も大きい。 |
| 膵臓 | 45.0% | 16.9% | 2.2% | 6.9% | 11.8% | 早期の割合が少ないため平均が下がりやすい。個別の治療戦略が鍵。 |
見ての通り、「合計(平均)」は参考にはなるけれど、それだけで自分の話にしてはいけない。限局か遠隔かで、見える景色が変わりすぎます。
- ここだけ覚えればOK:ステージ別の差を見るなら「合計」より「限局/領域/遠隔」を先に見る。
- 判断の目安:自分の分類がどれか(限局・領域・遠隔)を押さえた瞬間、情報のノイズが減る。
- 現実メモ:ネットは“遠隔の数字”だけ切り取って煽りがち。表で全体像を確認。
同じ「遠隔」でも落ち方が違うのはなぜ?(比較で見えてくる現実)
たとえば乳房は遠隔でも40.2%が見えますが、胃は6.0%、肺は9.4%、肝は2.5%、膵は2.2%。「遠隔=全部同じ絶望」ではありません。ここ、よく誤解されます。
理由はざっくり3つ。薬の効きやすさ(分子標的薬・ホルモン療法など)、病気の進み方(増殖速度、転移パターン)、治療を続けられる体力や合併症。同じ“がん”でも、キャラクターが違いすぎるんです。
現場あるあるとしては、「ステージだけ聞いて帰ってきたけど、病理結果(型)や遺伝子の話がまだ」というケース。ここが埋まると、遠隔でも選択肢が広がることがあります。
- ここだけ覚えればOK:遠隔の数字は“がん種の性格”で全然違う。
- 判断の目安:遠隔と聞いたら「病理型」「遺伝子/バイオマーカー」「治療ライン」をセットで確認。
- ツッコミ一言:ステージだけで“詰み”判定するのは早すぎる(情報が足りてないだけのことも)。
ステージ(進展度)を聞いたら、次にやるべき「翻訳チェックリスト」
数字を自分の状況に寄せる作業=翻訳。これをやるかどうかで、同じデータでも精神的なダメージが全然違います。
チェック1:そのステージは「診断時」?「手術後」?
診断時の画像ベースと、手術後の病理ベースでステージが変わることがあります。「あれ、話が変わった?」は割と普通に起きる。
チェック2:治療の目的は「根治」?「長期コントロール」?
ここを言語化すると、治療選択の基準がハッキリします。遠隔でも“長く付き合う”設計ができるケースはあります。
チェック3:統計の「不明」に入っていない?
データには「不明」があります。分類が曖昧なままだと、比較の精度も落ちるので、可能なら情報を整えるのが得策です。
- ここだけ覚えればOK:ステージは“ラベル”ではなく“治療設計の材料”。
- 判断の目安:「診断時/治療後」「型」「バイオマーカー」を押さえると、比較が急に実用的になる。
- 現実メモ:病院の説明は一回で理解できなくて当然。メモ前提でOK。
数字に振り回されないコツ:比較表を“自分の武器”にする
ステージ別生存率は、未来を断定するためのものではなく、「何を急ぐべきか」「どこに力を入れるべきか」を決める地図です。特に限局と領域で数字が高い部位は、“早期で見つける価値”がそのまま表に出ます。
- ここだけ覚えればOK:比較表は「合計→病期→型」の順で読むと、心が削れにくい。
- 判断の目安:数字を見たら「次に確認すべき情報は何か?」に変換して行動に落とす。
- ツッコミ一言:“怖い情報”を延々スクロールするのは、だいたい夜。昼に見よう(メンタル大事)。

