はじめに:フルリフォームとは?
「フルリフォーム」とは、住宅全体を一新する大規模リフォームのこと。
キッチン・浴室・トイレ・床・壁・天井などの内装一式をはじめ、
断熱改修・配管交換・間取り変更まで含める場合もあります。
一般的な部分リフォームと違い、
家全体をまとめて施工することで一貫したデザインと高い性能を実現できるのが魅力です。
フルリフォームの種類
| タイプ | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 内装リフォーム | 壁紙・床・水回りなど内部中心 | 比較的安価・工期が短い |
| 全面リフォーム | 間取り変更・設備更新・断熱工事など | 新築並みの性能を実現可能 |
| スケルトンリフォーム | すべて撤去し構造のみ残して再構築 | 中古住宅再生・リノベーション向け |
💡 一般的に「フルリフォーム」=全面またはスケルトンリフォームを指します。
フルリフォームの費用相場
🏠 戸建て住宅の場合
| 延床面積 | 費用相場 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 20坪(約66㎡) | 約600〜900万円 | 水回り+内装一式 |
| 30坪(約99㎡) | 約900〜1,500万円 | 全面リフォーム+断熱改修 |
| 40坪(約132㎡) | 約1,200〜2,000万円 | 間取り変更+外装改修含む |
| 50坪以上 | 約1,500〜2,500万円 | スケルトンリフォーム規模 |
※ 築年数・構造(木造/鉄骨造)によって変動。
🏢 マンションの場合
| 専有面積 | 費用相場 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 50㎡前後 | 約500〜800万円 | 内装+水回り交換 |
| 70㎡前後 | 約800〜1,200万円 | 間取り変更+設備更新 |
| 100㎡以上 | 約1,000〜1,800万円 | スケルトンリフォーム規模 |
💡 マンションは共用部分の制約があるため、構造変更(壁撤去など)には管理組合の承認が必要です。
フルリフォームの費用内訳
| 工事項目 | 費用目安 | 内容 |
|---|---|---|
| キッチン交換 | 60〜150万円 | システムキッチン・配管工事含む |
| 浴室リフォーム | 80〜120万円 | ユニットバス・断熱対応 |
| トイレ交換 | 10〜30万円 | 節水トイレ・手すり設置など |
| 洗面化粧台交換 | 10〜30万円 | デザイン・収納重視型 |
| 壁紙・クロス張替 | 20〜40万円 | 全室施工の場合 |
| フローリング張替 | 30〜60万円 | 無垢材・防音フロアなど |
| 窓・断熱改修 | 30〜100万円 | 省エネ窓・二重サッシなど |
| 間取り変更・造作工事 | 50〜200万円 | 壁撤去・新設・配線工事 |
| 外壁・屋根リフォーム | 100〜300万円 | 塗装・張り替え・断熱工事 |
| 設計・管理費 | 総額の10〜15% | 設計士・施工監理など |
💡 「どこまで工事するか」で総額は2倍以上変わることも。
あらかじめ希望範囲を明確にして見積もりを取りましょう。
フルリフォームの費用を抑えるポイント
✅ 1. 優先順位をつける
「全てを新しく」ではなく、劣化が激しい箇所・生活改善につながる場所から優先。
→ 例:水回り → 断熱 → 内装の順に検討。
✅ 2. 補助金・助成金を活用する
2025年も、以下のような国・自治体の制度が利用可能です👇
フルリフォームで使える補助金制度(2025年版)
① 子育てエコホーム支援事業
国交省による省エネリフォーム支援制度。
キッチン・浴室・トイレなどのエコ設備導入で補助が受けられます。
| 対象 | 断熱窓・高効率給湯器・節水トイレなど |
| 補助額 | 最大60万円(子育て・若年夫婦世帯は上限UP) |
| 申請 | 施工業者が代理申請 |
| 期間 | 2025年3月〜予算終了まで |
② 住宅省エネ2025キャンペーン(統合型補助金)
外壁・屋根・窓・設備などの断熱改修・省エネリフォームに最大200万円。
| 対象工事 | 外壁・屋根・窓・断熱材など |
| 補助額 | 最大200万円(全体改修時) |
| ポイント | フルリフォームに最適。断熱性能向上が必須。 |
③ 長期優良住宅化リフォーム推進事業
耐震性・省エネ性・バリアフリー性を高めるフルリフォームに最適。
| 対象 | 性能向上リフォーム(耐震・省エネ・劣化対策) |
| 補助率 | 工事費の1/3(上限100〜200万円) |
| 申請 | 建築士・登録事業者が申請 |
💡 フルリフォームは「性能向上」を伴うため、複数補助金の併用対象になりやすいです。
フルリフォームの工期の目安
| 工事内容 | 工期 |
|---|---|
| 内装中心リフォーム | 約2〜4週間 |
| 全面リフォーム | 約1〜3ヶ月 |
| スケルトンリフォーム | 約3〜5ヶ月 |
💡 仮住まいが必要な場合もあるため、スケジュール管理が重要です。
フルリフォームと建て替え、どちらが得?
| 比較項目 | フルリフォーム | 建て替え |
|---|---|---|
| 費用相場 | 800〜2000万円 | 2000〜3000万円 |
| 工期 | 2〜4ヶ月 | 6〜10ヶ月 |
| 固定資産税 | 継続 | 再計算(上昇する場合あり) |
| 間取り自由度 | 高いが制限あり | 完全自由設計可能 |
| 補助金 | 利用しやすい | 対象外が多い |
💡 構造体が健全ならリフォーム、老朽化が激しければ建て替えが目安です。
フルリフォームを成功させるポイント
1️⃣ リフォーム会社選びが最重要
→ 「建設業許可」「住宅リフォーム事業者登録」「実績」を確認。
2️⃣ 見積もりは3社以上で比較
→ 金額差だけでなく、提案内容や保証内容もチェック。
3️⃣ 保証・アフターサービスを確認
→ フルリフォームは長期保証(5〜10年)が望ましい。
4️⃣ 補助金対応業者を選ぶ
→ 登録事業者であれば申請サポートを受けられます。
まとめ:フルリフォームは「家を再生させる大チャンス」
フルリフォームは高額ですが、
家の価値を再生させ、快適性・省エネ性を大幅に向上できる投資です。
2025年は、省エネ・断熱・バリアフリーを重視したリフォームに
最大200万円超の補助金が利用可能。
費用を抑えつつ理想の住まいを実現するためには、
信頼できる業者選びと補助金活用が鍵です。

