ボーナス平均業界別ランキング2025最新版｜高い業界・低い業界を徹底比較
2025-12-10時点で公表されている経団連や調査機関のデータをもとに、ボーナス平均額が高い業界をランキング形式で解説します。自分の業界が「世の中の相場」と比べて高いのか低いのかを知ることで、転職や年収交渉の判断材料にできます。数値はいずれも大手企業の集計が中心であり、中小企業ではやや低めになる傾向がある点もあわせて押さえておきましょう。
2025年ボーナスの全体トレンドと業界別の特徴
民間調査によると、東証プライム上場企業を対象にした2025年冬のボーナス妥結額は平均で約87.4万円とされ、4年連続で増加傾向が続いています。特に、自動車・電機・建設など設備投資やインフラに関わる業界は依然として高水準です。
一方、流通・サービス・小売の一部では、人件費や原価の上昇を受けてボーナスの伸びが限定的な企業も見られます。同じ「平均」といっても、業種によるバラつきはかなり大きいことを前提に、ランキングを確認していきましょう。
- 要点：全体平均はじわじわ増加しているが、業界ごとの差は依然として大きい。
- 要点：自動車・電機・建設など、利益が出やすい業界ほどボーナスも高くなる傾向。
- 要点：流通・サービスなどはボーナス増加が鈍く、企業間格差も大きい。
ボーナス平均業界別ランキングTOP10（2025年・大手企業中心）
経団連が公表した2025年夏季ボーナス（大手企業・1人あたり）の一次集計データなどをもとに、おおよその業種別ランキングをまとめると次のとおりです。金額は年間ではなく「対象期のボーナス額」であり、賞与の回数によって年間総額は変わります。
| 順位 | 業種 | 平均ボーナス額 （2025年・1人あたり、万円目安） | 前年からの増減率 | 特徴 | 向いている人の傾向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 建設 | 約127.0万円 | 約+6％ | 大型プロジェクトやインフラ投資の増加で高水準が続く。 | 安定したインフラ需要の中で、成果と収入を両立させたい人。 |
| 2位 | 造船 | 約118.5万円 | 約+11％ | 海運需要やエネルギー関連投資の回復でボーナスが大きく増加。 | グローバル志向があり、重工系のモノづくりに興味がある人。 |
| 3位 | 商業（総合商社など） | 約117.4万円 | 約+4％ | 資源・食料・インフラなど多角的な投資活動が高収益を支える。 | 高い成果報酬とハードワークの交換条件を受け入れられる人。 |
| 4位 | 自動車 | 約107.8万円 | ややマイナス | 電動化・ソフトウェア投資でコスト増も、依然として高水準。 | グローバル展開や技術革新の最前線で働きたいエンジニア・営業。 |
| 5位 | 電機 | 約106.8万円 | 約+8％ | 半導体・デジタルインフラ需要が追い風となり、増加傾向。 | IT・エレクトロニクス分野で専門性を磨きつつ安定収入を得たい人。 |
| 6位 | 化学 | 約105.0万円 | 約+29％ | 素材高付加価値化が進み、前年から大幅なボーナス増が見られる。 | 研究開発や素材系メーカーで、地道な積み上げを評価されたい人。 |
| 7位 | 鉄道 | 約98.0万円 | 約+8％ | コロナ禍からの回復で、旅客・物流ともに業績改善が続く。 | 生活インフラを支えながら、安定した待遇を重視する人。 |
| 8位 | 鉄鋼 | 約93.1万円 | ややマイナス | 市況の影響を受けつつも、依然として高い平均水準。 | 景気変動を許容しつつ、スケールの大きい製造に関わりたい人。 |
| 9位 | 食品 | 約91.7万円 | 約+5％ | 物価高を価格転嫁できた企業ではボーナス増の傾向がみられる。 | 生活に身近な商品づくりに携わりたい人、ブランド志向の強い人。 |
| 10位 | 非鉄金属 | 約90.9万円 | 約+11％ | 資源価格や電池関連需要の高まりで、前年からの伸びが大きい。 | 資源・素材分野で長期的な成長性を重視する人。 |
- 要点：建設・造船・総合商社など「インフラ＋グローバル」色の強い業界が上位に集中。
- 要点：自動車・電機・化学などの製造業も依然として高水準で、技術系の人気が高い。
- 要点：食品・非鉄金属など、生活・資源に近い産業も安定したボーナスを維持している。
製造業 vs 非製造業：どちらがボーナスは高い？
2025年冬のボーナス調査では、製造業の平均額が非製造業を大きく上回っている結果が出ています。製造業全体の平均は約90万円台、非製造業は70万円台前半とされ、20万円前後の差があるという見方もあります。
ただし、非製造業の中でも建設・情報通信・電力などは製造業以上に高いケースがあり、「一律にモノづくりが有利」というわけではありません。あくまで「平均」の話であり、会社選び次第で大きく状況は変わります。
- 要点：平均では製造業のほうがボーナスが高いが、例外的に高い非製造業も多い。
- 要点：同じ業界内でも企業ごとの差が大きく、「業界＞企業」の順で見る姿勢が重要。
- 要点：勤務地や働き方の柔軟性など、金額以外の条件とのバランスも考える必要がある。
自分の業界・会社は平均と比べて高い？低い？チェック方法
自社のボーナスが「高いのか低いのか」を判断するには、単にインターネットで平均値を見るだけでは不十分です。次のようなステップで比較するのがおすすめです。
- ① 自分の会社の「業種」を経団連や業界団体の区分にあてはめる。
- ② 「従業員数」や「上場の有無」を確認し、似た規模の企業データと比較する。
- ③ 「年間の総ボーナス額（夏＋冬＋決算）」を計算して、業界平均と比べる。
- ④ 残業代・インセンティブ・住宅手当なども含めて「総年収」で見る。
こうした比較を行うと、「業界平均よりボーナスは少ないが、残業代が多くて総年収は高い」「ボーナスは多いが、基本給が低くてトータルでは普通」など、より立体的な見え方ができます。
- 要点：業界別平均と比べるときは、企業規模（従業員数・上場区分）をそろえて見る。
- 要点：ボーナスだけでなく、「年収全体」「労働時間」「福利厚生」まで含めて評価する。
- 要点：転職サイトの年収データや有価証券報告書も参考になる。
ボーナスが高い業界への転職を狙うときの注意点
ボーナスが高い業界は、その分だけ求められる成果水準も高く、仕事のハードさや競争の激しさが伴うことが多いです。また、好況期には高水準でも、不況期には大きくカットされる「景気敏感型」の業界もあります。
「とにかくボーナスが多いところに行きたい」という発想だけでなく、自分の得意分野・働き方・価値観とマッチしているかどうかをじっくり検討することが大切です。業界研究やOB・OG訪問を通じて、実際の働き方や評価制度も確認しておきましょう。
- 要点：ボーナスが高い業界ほど、成果主義や長時間労働が強いケースもある。
- 要点：「金額」だけで飛び込まず、仕事内容や将来性とのバランスを確認する。
- 要点：情報収集は、公式データ＋口コミ＋OB・OGの話を組み合わせるのがベスト。
